胃炎でピロリ菌除菌療法

 

 

 

昨日朝日新聞デジタル版に小さく報道されていましたが、胃十二指腸潰瘍などの治療として行われているピロリ菌の除菌療法が、もうすぐ胃炎(ヘリコバクター・ピロリ胃炎)に対しても行えるようになります。

平成24年8月にすでに製薬会社数社から申請されていたピロリ菌除菌療法の適応症追加ですが、どうやらもうすぐ認可される見込みとなったようです。適応開始日はまだ明らかとされていませんが、おそらくあと1ヶ月程度ではないかと思われます。

ピロリ菌は胃十二指腸潰瘍の原因のひとつと言われていますが、最近の研究でピロリ菌によって引き起こされた慢性胃炎が胃癌の発生にも関与していると言うことが分かっています。ピロリ菌による慢性胃炎の方は、胃癌予防という観点から全員除菌治療を行う事が推奨されますが、残念ながら現時点では内視鏡や胃透視などの検査を施行した上で胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの確定診断がなければ除菌はおろか、ピロリ菌の存在診断さえ健康保険が適用されない状況で、ピロリ胃炎のみの場合の除菌治療には数万円の自己負担が必須です。除菌療法が胃炎にも適応拡大されると、そのような方も健康保険での除菌療法が可能になります。

検診などで毎年『胃炎ですね』と言われる方の大部分は『ヘリコバクター・ピロリ胃炎』である可能性が高いと思われます。

これを機に、内視鏡検査、ピロリ菌の検査を受けて、除菌療法を行いましょう。

写真はピロリ菌とは関係ありません。

グラバー邸と稲佐山 005

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